Ⅰ基本方針

1.目的

本計画は、降積雪等により道路交通に支障をきたさないように、県管理道路の除排雪および路面凍結対策等を適切に実施するとともに、災害級の大雪時には各道路管理者や事業者、県民がより一層連携・協力し、早急な道路交通の復旧を図り、安全で安心、快適な県民生活を確保するために定めるものである。

2.道路除雪対策本部の開設期間

令和3年11月15日から令和4年3月31日まで

3.計画の重点項目

(1)車道除雪の徹底

(2)冬期道路情報提供の強化

(3)道路管理者等との連携強化

Ⅱ計画の概要

1.車道除雪

県管理道路延長2,482.2Km(93.2%)を除雪する。

(1)降雪初期における初期除雪の徹底

気象情報等を活用した早期除雪を最重点とするが、日中においても降雪強度や路側堆雪状況に応じ、その出動時間を適切に判断し、早期除排雪を行う。

(2)豪雪時における都市間連絡道路等の交通確保

第1種路線のうち、特に交通量の多い重要路線(主要都市間道路・高速道路のI.C.・空港・主要な駅・港湾・医療施設・その他重要公共施設への連絡道路:道路除雪計画図で特別重要路線として赤太字線表示のもの)については、より一層の除雪レベルの確保を図り、豪雪時においても原則として2車線を確保する。

(3)バス路線における優先的な除排雪の実施

公共交通の確保を図るため、バスの運行回数の多い路線については、バス停車帯も含め、優先的な除排雪を実施する。

(4)円滑な交通確保のための交差点除排雪の実施

交通のネックとなる主要な交差点(212箇所)については、常に迅速な対応ができるよう交差点別働隊を編成し、きめ細かな除排雪を実施する。

(5)地域ブロックごとの除雪共同企業体による効率的な除排雪の実施

土木センター・土木事務所管内(車道、歩道、交差点を含む)を一括委託する。(ブロック別一括委託方式) この方式は、除雪車の弾力的運用による効率的な除雪ができることや、企業体を構成する業者相互の協力により除雪レベルを均一化することができる等の利点があり、車道除雪では、2,282.7Kmを42ブロックで実施する。

(6)災害級の大雪への対応強化

数十年に一度の規模で発生する豪雪が予測される際、気象庁より特別警報が発表される。また、近年は顕著な大雪に関する富山県気象情報(※)が発表される。
※平地で3時間で一定量の降雪深さ(東部南・西部24㎝以上、東部北・西部南20㎝以上)があり、それが継続する恐れがある場合に発表
このような災害級の大雪が見込まれる場合、あらかじめ県民・事業者等に対し車での不要不急の外出を控えるよう強く呼びかけるとともに、臨時の雪捨て場の開設や機動的除雪(※)、排雪作業の準備など除排雪体制を強化する。
※積雪状況や降雪予測に基づき、早朝の時間帯に限らず状況に応じて実施する。

2.歩道除雪

歩道総延長1,615.5Kmのうち67.5%にあたる1,090.4Km(昨年度より9.3km増)を除雪する。

(1)通学路、駅や公共施設等へ通じる歩行者の多い歩道を重点的に実施する。

(2)歩行者の多い、通学路や主要な駅等に通じる歩道で早朝除雪を実施する。

(3)交差点の横断歩道部における水はね対策を実施する。

(4)市町村が中心となって策定している雪みち計画(冬期の国道・県道・市町村道等を包括した面的な歩行空間確保の計画)に位置づけられた路線に対し、除雪レベルの見直しを行い重点的に実施する。

(5)県がハンドガイド除雪機を貸与することにより、住民や沿線事業者等協力団体による通学路の歩道除雪を推進する。

3.冬期道路情報の提供

県や他の機関の冬期道路情報等が、容易に得られるようインターネット等で提供し、安全で安心な道路利用を支援する。また、災害級の大雪が予測される場合には、県民・事業者等に対し車での不要不急の外出を控えるよう、強く呼びかける。

(1)除雪情報システムで収集した積雪、降雪、降雪予測、気温、路面画像、路面温度、AIを活用した滞留状況等の情報をパソコンや、携帯電話、スマートフォンから提供する。

(2)5cm以上の降雪予測、大雪注意報・警報等(市町村毎)の発表時は、希望者に対し「富山県冬期道路情報」のメール配信サービスを行う。

(3)他の機関(国、中日本高速道路(株)、JRなど)の冬期交通情報へもアクセスできるよう、利便性の向上を図り、道路、その他交通情報へのリンクを設ける。

(4)雪道を歩く際の注意点や車両立ち往生等の発生しやすいリスク箇所マップを掲載した、雪道を安全に利用して頂くためのパンフレット「富山県雪みちガイド」を主要観光案内所や道の駅等で配布し、冬に不慣れな来県者の安全・安心を支援するとともに、道路利用者に対して注意喚起を行う。

(5)災害級の大雪が予測される場合には、県民・事業者等に車での不要不急の外出を控えることや、荷主や事業者へ、広域迂回や運送日の調整などを呼びかける。

4.安定した除雪体制の維持

除雪機械及び除雪オペレーターの確保と適正な配備に努め、安定的な除雪体制を維持する。

(1)民間保有の少ないロータリ除雪車や凍結防止散布車等の県保有機械を適正に配備する。(保有台数469台)

(2)豪雪時等の対応も可能となる民間保有機械の確保を行う。(常時277台、臨時873台)

(3)除雪業務の民間委託を安定的に進めるため、常時借上機械の保有に必要な経費を固定費として支払う。

(4)情報連絡業務を担う「世話役」を配置し、除雪待機体制の充実を図る。

(5)富山県道路除雪功労者等の表彰及び感謝状の贈呈を行う。

道路除雪功労者感謝状:経験30年以上
道路除雪功労者等表彰:(マスター部門)経験20年以上、(ジュニアマスター部門)経験10年以上

(6)除雪オペレーターの技能向上及び技術伝承を図るため、実地研修を行う。

(模擬コースで、熟練オペレーターから除雪機械の運転指導を受けるもの)

(7)除雪業務への理解を得るための広報について、国、市町村と連携を強化する。

(8)民間保有機械が老朽化し、安定的な除雪が困難な状況となっている。さらに、近年の除雪業者をとりまく環境は厳しくなっており、除雪機械の買い替えも難しくなっている。このため、県が除雪車を購入し、貸与機械へ切り替えることにより、安定的な除雪体制の確保を図る。

(9)除雪オペレーター育成支援事業により、除雪オペレーターの確保を図る。

(10)GPSによる位置情報を用いて除雪機械の運行状況を把握することにより、除雪業務管理の効率化を図る。

5.道路管理者等との連携

広域的に均衡のとれた除雪水準を確保するなど、道路管理者等との連携を密にする。

(1)各道路管理者や他機関と広域的な連携を図るため、連絡調整会議等を実施し高速道路の通行止め等が発生した場合などの連携体制を構築し、迂回路に関する情報等を共有するとともに、災害級の大雪時に備え、タイムライン(※)に基づき行動する。

※災害級の大雪時に、関係機関ごとの段階的な行動を共有し、円滑な連携のもと、速やかに対応するために、具体的な行動とその実施主体を時系列で整理した計画

(2)情報共有サイト等を活用し、道路管理者間で気象情報や除雪状況等の共有を図る。

(3)道路管理者の混在する市街地の幹線道路などにおいて、同一機械で除雪することによる、効果的かつ効率的な連携除雪を実施する。

(4)倒木により道路交通に支障を及ぼす危険性のある箇所について、関係機関と合同パトロールを実施する。

(5)豪雪時の道路交通確保のため、道路管理者相互の雪捨て場の共同利用や応援除雪体制を構築する。

6.県民との協働

県民参加による道路除雪を推進するにあたり、除雪情報の提供、除雪参加への啓発、除雪に対する意見の収集などに引き続き務める。

(1)県の広報誌やインターネット等を通じて、県民との協働による除雪の推進を啓発する。

(広報とやま、県からのお知らせ、チラシ、インターネット等)

(2)住民や沿線事業者等の協力による歩道除雪を推進する。

(スポット除雪、県有ハンドガイド除雪機の貸出及び協力団体への報償費の支払い)

(3)交差点やバス停等に、スコップを常備し、地域住民の方々や通行する方々に行っていただく「雪と汗のひとかき運動」を実施する。こどもや女性でも容易に利用できる軽量タイプのスコップの設置を進める。(154箇所設置)

(4)県民から除雪に対する意見等を収集し、除雪計画へ反映する。

(5)学校周辺の通学路等は学校関係者等と協力して除排雪を実施する。

(6)地域において県民が自主的に行う共同除排雪活動が円滑かつ効果的に実施されるよう、地域住民と一体となって除排雪を行う。

(7)「こども雪教室」の開催等により県民との協働による雪対策への意識高揚を図る。

(小学生を対象に、冬期間の安全な交通確保のための取組みなどを理解してもらうとともに、除雪機械や県民ができる除雪作業などを紹介する)

7.路面の凍結対策

安全で円滑な道路交通を確保するため、路面凍結対策を推進する。

(1)路面凍結予測システム等を活用し、適時・適切な凍結防止剤の散布を行う。また、凍結防止剤が不足した場合に備え、一定量を備蓄する。(散布道路延長556.9Km)

(2)路面凍結時に危険となる箇所や交通渋滞が発生する箇所において、路面凍結センサーによる路面監視及び情報提供を行う。(47箇所)

(3)凍結抑制舗装等によりスリップ事故の防止を図る。

(4)路面凍結危険箇所マップを「富山県冬期道路情報」ホームページで情報提供を行う。

8.降積雪に対応した道路整備

冬期の安全で円滑な道路交通を確保するため、雪崩対策施設、消雪施設や堆雪帯を計画的に整備する。

(1)雪崩対策施設

スノーシェッド、雪崩柵等の雪崩対策施設を整備し、安全な冬期交通の確保を図る。(総延長33.0Km)

(2)消雪施設

機械除排雪のネックとなっている箇所(人家連坦部、橋梁、交差点等)において、消雪施設を整備する。(740.2Km、除雪延長に対する整備率32.0%)また、消雪設備の老朽化や損傷状況に応じて、施設の更新等を進めるとともに、監視システムの整備拡充を図る。また、日中の稼働状況や効果を踏まえ、24時間通電可能なプランへの変更を進める。

(3)堆雪帯

降雪時においても円滑な道路交通が図られるよう、路肩を十分に確保するなど、堆雪帯の整備を進める。

9.公共交通の利用促進と連携

冬期は特に市街地の交通渋滞が激しいため、公共交通の利用促進を一層図る必要があることから、鉄道事業者やバス事業者と連携し、施設周辺の除雪を推進する。

(1)バス路線において、バス停車帯や停留所の除排雪を実施する。

(2)コミュニティバス等に対応した除雪の強化

(3)パークアンドライド促進のため、駅周辺道路の除排雪を強化する。

(4)主要な駅に通じる歩行者の多い歩道の早朝除雪を実施する。

(5)公共交通事業者との連携体制を構築し、除雪状況に関する情報等を共有する。

10.その他

(1)除雪作業に支障をきたさないよう、交通管理者と連携した路上駐車対策を実施する。

(2)市町村とも連携し、十分な雪捨て場を確保する。(常時55箇所、臨時11箇所)

(3)標識や橋梁からの落雪による事故を防止するため、雪庇除去の実施など対策を講じる。